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第9回 『ダリアのブーケ』 東京都の結婚相談所

2019年05月12日


 東京メトロの溜池山王駅から直結している「ザ・キャピタルホテル東急」。和のテイストをふんだんに取り入れた、シンプルながらも風格のあるホテルだ。ラウンジで待ち合せたのは結婚相談所「ダリアのブーケ」を運営する中嶋えりこさん。若奥様!と呼びたくなるようなたおやかな美人である。この優雅なラウンジを会員との面談でよく使うらしい。

「今年1月に独立開業したばかりです。一人でやっているので融通が利くのがうちの強み、でしょうか。いろんなタイプの会員さんの希望にこちらが合わせることができます」

 総合商社でOLをしていたときに結婚し、その後の18年間は一人娘を育てながら専業主婦をしていた。娘が高校生になった頃に再び働きに出ることを考え、約1年間は中規模の結婚相談所に所属してカウンセラーをしていた。

「とてもやりがいのある仕事でした。会員さんと同じ方向を見て一緒に努力して、結婚が決まったときにはカウンセラーたちでセレモニーをして差し上げるのです。そのときの表情が照れながらもすごく嬉しそうで……」

 中嶋さんの指摘する「やりがい」は、多くの結婚相談所のスタッフが共感するものだろう。日常生活では大人が心の底から喜んでいる顔を見ることは稀だ。だからこそ、自分が応援して支えた人が幸せになり、その姿を目の当たりにすると激しく感動する。性格のいい人であれば、やりがいどころか「やみつき」になってしまうのだろう。

 業務内容自体は大いに気に入っていた。しかし、組織の一員として動くためにはシフトに入る必要がある。結婚相談所は土日が忙しい。土日に働くことは厭わないが、丸一日の出勤では夫と娘のいる家庭との両立が難しい。中嶋さんはやむなく退職を決めた。

 個人で独立開業をすれば、会員対応だけでなく自分の働き方にも融通を利かせることができる。他の予定が入っていなければ、いつどこで仕事をしてもよい。失敗も成功も自分次第だ。仕事とプライベートの境があまり必要ではない人にとっては心地良い働き方だと言える。フリーライターの筆者もそうだし、中嶋さんも同じタイプなのだろう。





第8回 『ジャストフィットパートナーズ』 千葉県柏市の結婚相談所

2019年04月25日


 千葉県柏市の農業地帯にある立派な一軒家にお邪魔している。「今日はまだ眉毛を描いていません」と笑いながら対応してくれるのはジャストフィットパートナーズ(以下JFP)の岩立友紀子さん。この自宅を拠点にして結婚相談所を始めるに至るまでには、自らの経験が強く影響している。

 東京都葛飾区で農業とは無縁に育った岩立さんは、大学卒業後は大手の証券会社に就職。しかし、すぐに金融の仕事に疑問を感じて農家を志すようになる。退職後、九州の農業法人での研修を経て、2012年に千葉県で新規就農。4反(約4000平方メートル)の畑を借り耕し始めたが、経験の浅い女性一人では経済的にも体力的にも厳しいのが現実に突き当たった。

「1年目は手当たり次第、100品目もつくりました。秋冬野菜はほとんど失敗し、収穫物はゼロに等しかったです」

 なんとか収穫できた野菜をスーパーやマルシェ(直販市場)に販売したが、売り上げは150万円程度。設備投資を差し引くと赤字だった。

 それでも体当たりで農業に取り組み続ける岩立さんを周囲のベテラン農家たちは放っておけず、様々な人が手を差し伸べてくれた。その一人が現在の夫だった。



第7回 『グラシアス』 愛知県岡崎市の結婚相談所

2019年04月13日


 結婚の「天国と地獄」を身をもって知っている女性がいる。愛知県三河地域で結婚相談所「グラシアス」を運営する塚平寿奈さんだ。まずは地獄の経験から。

 19歳で結婚した塚平さんは3人の子どもに恵まれた一方で、夫からの日常的なDVを受けていた。義理の両親は助けるどころか夫に加担。塚平さんは「1円単位での度が過ぎた節約」「午後2時までに洗濯物をとりこまないと説教」などの奴隷的な家庭生活を強いられた。暴力を受けて腕などにあざができることあり、夫の実家では体調が悪くても家事と正座をさせられる日々だった。

「同世代で結婚している友だちがいなかったし、母も嫁姑問題で苦労をしていたので、『結婚とはこういうものなんだ』とあきらめていたんです」

 なんとしても3人の子どもは育て上げなければいけない――。10年以上に及んだ地獄の生活でも心に誓っていた塚平さん。変化が訪れたのはパートとして外で働き始めたことがきっかけだった。


第6回 『ハチドリ』 東京都港区南青山の結婚相談所

2019年04月03日


 「仕事が忙しいのを言い訳にして婚活から逃げていたんです。結婚相手に高望みをしていたのもあります。30代後半で婚活を始めて厳しい現実に打ちのめされました。でも、痛い思いをして自分の立ち位置を知らずにいたら、私は今でも独身でもがいていたと思います」


第5回 『ひまわり』 埼玉県川口市の結婚相談所

2019年03月21日


 飛び込み営業で入った先の結婚相談所をなぜか引き継ぐことになった男性がいる。2017年3月までは京都にある食品関連会社で営業マンを21年間もしていた城畑久弘さんだ。製薬会社に勤める妻の転勤で東京都北区に引っ越すことになり、家庭を守るために自分は会社を退職。結婚相談所への転職もしくは独立を視野に入れて、婚活関連ビジネスのセミナーに通っていた。

「営業マン時代からいろんな人を引き合わせるのが好きで、そのうち6組は結婚しました。これは仕事にできるかもしれないと思ったのです」


第4回 『ラ・ペーシュ』 東京都の結婚相談所

2019年03月20日


 この文章を書いている時点で結婚相談所の開設準備中の女性がいる。「ラ・ペーシュ」という屋号で、東京都内で開業予定の田上千乃(ゆきの)さんだ。

「2019年1月23日からスタートします。思い切って初期投資もしました。もしかすると後悔するかもしれませんが、やらないで後悔するよりはいいと思っています!」

 並々ならぬ決意を語ってくれる田上さん。数年前に結婚して子育て中の身でもある。なぜ結婚相談所を開こうと思ったのだろうか。

「図々しく言うと、お節介な私に向いていそうだと思ったからです」

 田上さんには国家資格がある本業がある。顧客からは「先生」と呼ばれる職業だ。しかし、田上さんはきさくに接しているため、仕事中に顧客から恋愛相談を受けることが多い。それが好評なのだ。

「そういう考え方があるんですね。元気が出ました」

「(長期案件が終わって)これで先生と話せなくなると寂しいんだよね」

 こんな感想を言ってもらうたびに、田上さんは「プライベートではない距離感でアドバイスする」ことの有効性を感じている。


第3回 『Repre(リプレ)』 東京都新宿区の結婚相談所

2019年03月19日


 一人で450名(取材時)もの会員を抱えている男性がいる。東京・西新宿にて結婚相談所「Repre(リプレ)」を運営する村木大介さんだ。すぐに疑問がわく。そんなに大勢の会員を一人でお世話できているのだろうか?

「よく質問されることです。誤解を恐れずに言いますが、僕は好きな人のお世話しかしていないので問題ありません。登録してもらっても1年以上(お見合いの)紹介をしていない人もいます」

 こんな発言をしても会員からクレームが殺到しない理由がある。Repreは入会費も月会費も無料で、かかる費用は「お見合い料」「情報交換料(お見合い後、双方が継続して会うことを希望した場合に発生)」「成婚料」の3つのみ。登録しただけでは1円もかからないのだ。


第2回 『東京世話焼きおばさんの縁結び』 東京都新宿区の結婚相談所

2019年03月18日


 東京メトロの神楽坂駅。2番出口を出て、右手に新潮社の「la kagu」、左手にブックカフェ「かもめブックス」がある文化度の高い通りを2分ほど歩くと、1階にオシャレな不動産屋が入居する小さなビルが見える。その3階まで階段で登れば「東京世話焼きおばさんの縁結び(以下、世話オバ)」の事務所に到着だ。

中に入ると、ガラスをふんだんに使ったインテリアが目を引く。太陽光もたくさん入る部屋で待っていてくれたのは、小野寺優子さんと下間瑞紀さん。2人は芸術系の大学時代からの親友で、かつてはデザインオフィスを共同経営していた。現在の事務所にも下間さんが描いた絵本のような油絵が飾られている。

少子高齢化などの問題解決には「人と人との結びつきが大切」という思いからNPOとして世話オバをスタートしたのが2010年。2人の他にもお世話好きの女性たちがメンバーに加わり、月1回ペースで婚活パーティーを開催していた。手料理を振る舞うなどの手を尽くしたが、「パーティーは労多くして報われなかった」と下間さんは苦笑する。

「結局、求められているのは一人ひとりの話をちゃんと聞いていくことだと気づきました」


第1回 『三重結婚サポート 三重で結婚しよう』 三重県四日市市の結婚相談所

2019年03月17日


 三重県四日市市に来ている。国道一号線(東海道)沿いにある喫茶店「コミュニティカフェK」で待っていてくれたのは片山陽平さん。長身で柔らかな印象を受ける男性だ。この喫茶店は、片山さんが運営する「三重結婚サポート
三重で結婚しよう」の四日市事務所を兼ねている。

「ここでも婚活イベントをやっています。電車利用の方は、近鉄四日市駅からあすなろう鉄道に乗り換えて来なければならないので、『そんなに遠いならばキャンセルする』と言われてしまうこともあります。私自身の結婚ですか? まだです。結婚願望はあります。でも、収入に波があるので、もう少し安定させてからでないと自信がありません」